ついに、幸いにして、事故にも合わず平壌・順安空港に着く事が出来た。他の空港のようにハブが飛行機に伸び、そこから直接乗客が出入りするようにはなっておらず、60年代のように飛行機にタラップが横付けされ、そこから乗降する方式だった。
開いた飛行機の出入り口から見えるその風景は、雑誌やテレビで何度も見た建物の上に金日成の肖像画が乗っているあの空港である。空港の規模は北朝鮮唯一の国際空港にもかかわらず、まるでどこかの地方空港のようで、高麗航空以外到着している雰囲気はなかった。待機している旅客機も他になく、唯一貨物機らしい機体が滑走路の横に止まっているだけだった。
タラップを降り、バスに乗せられて空港建物に向かった。そしてこれから通関である。日本人観光客も少しいるようだったがその他の多くの旅行客は中国人のようだった。通関に並んだ列の一番コッチと一番向こうで大声で何か話しをしている。旅の恥はかき捨ての精神が旺盛な中国人らしい行動である。よく言えば、どこに行ってもマイペース。でも普通はこう言うのを傍若無人、と言うのではなかろうか。写真を数枚カメラに収めるもおっかなビックリだったため上手く撮れなかった。
通関時、ココで携帯電話を一時没収されるのである(帰国時返却)。他のツアーメンバーもシブシブ携帯を取り出し没収準備をしていた。日本の携帯じゃあどっち道通じないのに…なぁ。で、自分はどうしたのかと言うと、試しにと思ってカバンの中にそれとなく入れっぱなしにしておいた。で、案の定X線検査ですぐに見つかる。没収されるかとも思ったが、自分の携帯はこの春に買ったばかりのauのメディアスキンである。北朝鮮や中国にこんなオレンジで板切れみたいな携帯はないと見えて不審がられながらもそのまま通過。小さな反抗、してやったりなのである。
日本人が北朝鮮に入国する時パスポートの提出は求められるが、そこのビザの証書はない。日本と国交のない北朝鮮にその義務はないのである。お互いに国と認めていない状態。その変わり日本出国前にそれに変わる写真付きの別紙(ビザ変わり)入国証を渡されるのである。
さて、荷物検査も済ませ無事通関を通過するとその先にすでに監視員!いや案内員3人が待ち構えていたのでした。
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この案内員チームのリーダーで40歳前後の黒のスーツを着た森田健作似の男性ガイド。日本語ペラペラ。 |
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もう1人が25歳のチマチョゴリの女性。特別カワイクはないが今回が観光ガイドデビューと言うのが初々しい。日本語はまずまず。 |
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最後は色黒で安そうなジャケットを着た専属ドライバー、名前は失念。日本語は話せない。 |
それぞれ挨拶を交わし一行は何処かからの払い下げのオンボロのハイエースに乗せられ平壌市内へ向かうのでした。
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